私たちの活動は、一通の電子メールから、始まりました。

しし座流星群が大出現すると話題になった1998年、現場の教師や研究者らが中心の天文教育普及研究会のメーリングリスト(ML)に1通の電子メールが流れました。
しし座流星群を、多くの生徒たちに体験させたい。平日の夜の観測なので、何とか公欠をとって暗い条件の空で見せたい
この思いが、天文教育・普及にたずさわる人たちの間に広がり、天文学の最前線にいる研究者の方々からも続々と支援の言葉が寄せられました。

そして、活動ははっきりとした形となり、日本を代表する学会、研究会の支援も得て、熱い期待を背負って実行委員会(Leonids’98)が発足しました。1998年5月のことです。準備期間は充分ではありませんでしたが、300以上の高校生グループの参加によって、大きな流れを作り出しました。
日本での大出現こそなかったものの、その活動は、翌年のLeonids’99 に引き継がれ、今度は世界23ヶ国の参加による観測が実施されました。2000年度からは、しし座流星群以外の観測テーマも含めるようになり、高校生天体観測ネットワーク(Astro-HS)と名前を変え、現在にいたっています。

1998年度のプレスリリースには、次のようなメッセージが書かれました。

 青少年の間で、「理科離れ」があるという指摘が繰り返されています。天文分野では、子どもたちの興味、関心は非常に高く、その要望に答えるために、科学館、プラネタリウム、そして公開天文台の数も飛躍的に増加していますが、一方で年齢層が上がるにつれて利用者が減少する傾向が見られます。
また、学校の自然科学系クラブ活動の沈滞も指摘されています。EEB物理、化学などの分野では、「青少年のための科学の祭典」などの様々な取り組みが始まっています。天文分野においては、インターネットやパソコンなどを積極的に取り込んだJAHOUのような実践は始まっていますが、青少年の活動を積極的に企画・支援するという動きはまだ十分ではありません。

学校天文部の観測テーマの中に、流星の観測は必ず上げられるもののひとつです。しし座流星群の母彗星であるテンペル-タットル彗星が回帰し、今年から来年にかけて、同流星群の活発な活動が期待されています。現在までの軌道計算によれば、大出現が期待されている時間帯で、最も観測条件の良い場所は、日本をはじめとする東アジア地域です。短時間で、限定された区域のみでしか観測できない可能性もあることから、日本列島をすべてカバーできる観測体制は、学術的にも重要と考えられます。
また、肉眼でも観察可能であることから、教育・普及の題材としても注目に値します。まさに「活きた教材」として、生徒に感動を呼び起こすものとなるでしょう。